
クルマのデザインのオリジナル性という点では、初期モデルが最も色濃く現れていると言われますが、とりわけシトロエンの場合はその流れを見ていくのは面白いと思います。
DSでも初期の丸目を好む一派があるそうですが、私はお馴染みのMC後の一体式ヘッドライトほうが断然好きです。逆にダッシュボードに関しては圧倒的に初期型がかわいらしくて良かったりと、好みはまさに人それぞれ。
CXも最初期のゆでたまごみたいなプレーンなモデルと、最後のモダンかつ高級感を打ち出したシリーズ2では、ずいぶん印象が違います。

決してどれが最良と言っているのではなく、それぞれの変遷を辿るのが興味深いのですが、好みはあるとしても、あまり頑固に偏った見方をするのは却って視野を狭めるのではないかと個人的には思います。
いまだにXmにもXM時代のダブルシェブロンを横にずらしたものがいいと信じ切ってグリルをわざわざ付け替えたり、すごい人になるとC6のリアフェンダーを板金してタイヤが半分隠れるよう、覆いを作ってしまうような頑なな方もおられるようですが、私はああいうことは賛成しかねます。

C5においても、それぞれの個性があると思いますが、初期型には初期型だけがもつ佇まいと、完成された造形の印象を覚えるところがあり、3月の公園ミーティングの折にSさんのC5を撮らせていただきました。
2型も次の時代を予感させて素敵ですが、1型には全体を通じて首尾一貫した完成度があると思うのです。

ちなみに、Sさんの次なるC5の新しいタイヤはアメリカのアームストロエング。
SさんはCCQ内でも、シトロエン=ミシュランという不文律をいち早く打ち破って、MOMOタイヤを最初に装着されたこの分野のいわば開拓者です。
おかげで私を含め、多くの人がこの流れに続くことになったわけですが、だれもやっていないときに、最初の扉を開いた人の勇気は尊敬に値します。
そして今また、シトロエンにアメリカのタイヤを組み合わせるという思い切った組み合わせに再び挑戦されたようです。