C4ちょい乗り

先日、kunnyさんが「フランス車大図鑑」を見に来られた折、C4を少し運転させていただきました。

運転席に腰を下ろしてまず驚くのは、久しく忘れていたやわらかいシートで、ふとBXの頃の記憶がよみがえりました。
外観はもちろんのこと、ダッシュボードのデザインも独創的な造形のオンパレードで、まだ自由な発想で車を作っていた最後の時期のモデルだろうと思われます。

とりわけこの角度からは、完璧と言いたくなるプロポーション。

ただし、足回りのほうは一足先に国際基準に寄り始めたモデルかもしれません。
動き出すと、想像したより骨太で腰がしっかりと座っており、その上にシトロエン流のしなやかさが巧みに味付けされているような印象でした。

同じCセグメントでも、数時間後に乗った我がゴルフ7はずいぶんクニャクニャした乗り味で、まるで仏独は互いの車作りを密かに意識し合っているような気もしました。

ヨーロッパって、表面上は各国反目し合っているようでも、実は互いをリスペクトしている部分も意外にあって、そのあたりの複雑さとか機微みたいなものが東洋の果ての島国から見たら面白いなぁと思います。

こういう時代

知人の話で、おまけにシトロエンネタじゃなくて恐縮ですが、ちょっとばかりお付き合いください。
関東に住む友人は、メルセデスのCをずっと乗っており、現在のW205だけでも3台目というのですから、よほどヤナセの言いなりに買い換えさせられているようです。
現在の車は今年買ったそうですが、ある日出かけようとしたら、エンジンは掛かったものの正面のメーターはじめ液晶パネル一切が真っ暗になっていて、幸いヤナセが徒歩でも10分という距離なので、すぐになんとかなるだろうと恐る恐る走っていったそうです。

ところが修理は想像以上に手間取り、戻ってきたのはそれから一ヶ月ちかく経った頃だったとか。しかもはじめの一週間は代車はすべて出払っていて車なしの生活を余儀なくされ、コロナ禍の夏の時期、買い物に行くのにも難儀な思いをしたそうです。
おまけに判明したのは「メルセデス純正パーツ」と言っても液晶パネルは韓国製なんだそうで、ヤナセの必死の取り組みにもかかわらず、これだけの時間を要したというのは、昔を思えばちょっと考えられないことです。
しかもCはすでに新型が発表され、W205は発表から7年、もっとも熟成されたはずのモデル末期ですから驚きもひとしおでした。

もしこれが、保証期間外だったら費用の面でも一体どんなことになるのか、考えてみただけでも恐ろしい。
MBは新型が出るたび、どれもますます液晶パネルの占める割合が異様なほど巨大化される傾向にあり、それだけ不安も増大しているように見えてしまいます。

ちなみにYouTubeの中には、輸入車のハイブリッドだけは買ってはいけないというのがあり、ハイブリッド用のバッテリーの交換が必要となると、何かの間違いでは?というようなすさまじい価格(動画内でディーラーの請求書が公開されています)となり、パーツ代と工賃と30数万円ほどの値引きを合計しても、同型の中古車が数台買えるほどだというのですから、背筋も凍るような話です。

こうなるともはや自費での修理や交換は実行性に乏しく、迫り来るEVの時代は、スマホみたいに2年毎に車を買い替えなくてはいけないようになるのかと思うと、暗澹たる気分になります。
こんな話に比べたら、ハイドロのオイル漏れなんて、ぜんぜん大したことじゃないよね!というような気がしてきます。

※上記写真はイメージです。

フランス車大図鑑

カーグラフィック発刊の『フランス車大図鑑』を購入しました。
「1960年から2020年にフランスで製造・販売された乗用車276モデルを網羅した大図鑑」ということで、個人的に最も関心を寄せる時代の60年間のフランス車が網羅されており、今後このような本が出てくることもなかなかないだろうと思い、つい奮発してしまいました。

目次。シトロエンとDSは一つにまとめられていますが、それでもこんなにもたくさんのメーカーがあったんですね。

中国専用モデルのたぐいは一切スルーされているのに、ルーマニアの工場で製造された現地専用モデルとか、日本製の三菱アウトランダーベースのシトロエンCクロッサー/プジョー4007などは掲載されているあたりが痛快でもありました。

もっとご紹介したいですが、あまりおおっぴらにもできないので、こんな感じという程度です。

モデルごとに1〜2ページで解説されており、資料性の高い一冊だと思います。
こうしてまとめられてみると、知らないフランス車も次々に出てくるばかりか、シトロエンでも未知のモデルが存在していたこともわかるなど、おもしろいですよ。

ちなみに『イタリア車大図鑑』というのもあるようです。
以前から感じていたことですが、フランス車とイタリア車は「ラテン車」として一括りにされ、兄弟のように語られることも多いけれど、個人的にほとんど共通点を見いだせず、その捉え方には少し違和感を覚えます。
何かで読んだ記憶がありますが、日本人はよく「欧米」と軽くいうけれど、実際には「欧」と「米」では成り立ちから何からすべてが違うので、そんな概念自体が間違いだとありましたが、似たようなことなのか…。
日本と近隣諸国も実際はぜんぜん違いますが、その「欧米」からみれば同様に思われているのかも。


ピカソ

今月のお茶会は参加者数やコロナ状況を考慮して中止としましたが、中止決定後にも参加表明があったりで、せっかくでもあるので、ちょっとだけ顔を合わせることになりました。
「クラブとしてのお茶会」ではないので、敢えて告知はしませんでした。

場所は他に思いつかないのでいつものココス。
駐車場に到着してみると、kunnyさんのC6のとなりに、はじめて見る黄色いC4-Picassoがいるではありませんか!参加者は当初お茶会に参加表明していた4名だったので、Picassoはだれの仕業か「また、やったみたいだな…」とすぐにピンときました。

なんでも今年のはじめに手許にきたそうで、なんと、しばらくは家に6台!のシトロエンがあったそうですが、現在はDS3はなくなって、それでも5台というのですからあっぱれです!

店を出た後は、試乗会となりC4-Picassoの試乗会となりましたが、さすがは7人乗りだけあって、大人4人でも広々していました。どう見ても縦方向のほうが長いフロントウインドウに広いガラスルーフが連なり、開放感は抜群で、それを前提とされているのか、エアコンはめちゃめちゃ効きがいいそうです。

黄色系の色もとても素敵で、走行は6万キロに満たない車体でしたが、広い室内、未来的な前方の景色、DSのようにハンドルの向こうに立つ繊細なシフトレバーなど、細部の工夫やデザインも秀逸で、C6や初代C4の時代の繊細なデザイン言語が随所に散りばめられた車でした。
たくさんの人を乗せるための実用車にも、どこか気が利いていて、独特なシトロエンのやわらかでシックな雰囲気が漂います。
いつもの駐車場ですが、心なしかひっそりした感じも…。

映画の話

『ル・コルビュジエの家』(2009年 アルゼンチン)というのを観たところ、はじめのクレジットにいきなりシトロエンの正式なロゴが出てきて、この映画に協賛しているらしいことにびっくり。
内容は、南米で唯一のル・コルビュジエ設計の家に建築家の夫妻が住んでいたところ、隣接する住人が、ある日突然、こちらが丸見えになってしまう場所に窓を作ろうと、壁をガンガン崩し始めることから起こるご近所トラブルというか、心理劇のような内容です。

シトロエンのロゴが出るシーンや、C6登場の様子などもご紹介したかったのですが、気がついた時にはアマゾンプライムで有料になっていたのであきらめて、ネットからポターを拝借。
この下にもシトロエンのロゴがあるのですが、それがあまりに画像が悪くて断念しました。

そのコルビュジエ設計の家の車がなんとC6で、ウギャア!と思いました。
期待するほどC6が頻繁に出てくるほどではなかったけれど、アルゼンチンでもC6は正式に販売されていたんでしょうね。
隣人との攻防がエスカレートする中、嫌がらせで、C6が無残なことになりはしないかとヒヤヒヤでしたが、幸いそれはありませんでした。

そのコルビュジエ繋がりでいうと『ル・コルビュジエとアイリーン』という2015年の映画もあり、コルビュジエほどの大建築家が、同時代の家具デザイナーであったグレイ・アイリーンの才能に嫉妬し、彼女が南仏に建てた家に執着、長らくコルビュジエ作とまで思われていたヴィラを舞台とする美しい映画です。
私はこちらのほうが面白かったけれど、トーマス・エジソンしかり、歴史上の偉人と讃えられる人も、実際の人間性は、その偉業とは裏腹に相当イヤな奴だったということは珍しいことではないようです。

おしらせ

いかがお過ごしでしょうか?
ついにオリンピックも開催されるようで、ならばささやかなお茶会ぐらいやっても良さそうにも思いますが、蔓延防止措置が解除されないことには、お店も20時で閉まり開催する場所もないことから、ひとまず現在の規制が解除されてから検討したいと思います。
ワクチンも少しずつ行き渡ってきており、改善の方向に向かえばいいのですが。

意外な共通点

シトロエン愛好家の多くは、クルマ以外にもあれこれ趣味をお持ちの方が多く、私の場合、もうひとつの趣味が音楽でありピアノです。

この両者、意外にも通じるところがあって、日本のピアノメーカーでトヨタに相当するのはみなさんご存知のヤマハ、カワイはさしずめ日産といったところでしょうか。
そのヤマハのグランドピアノのモデル名というのが、実はシトロエンとそっくりで、標準モデルはC1〜C7というラインナップで、数字が大きくなるほど大型化するのも同じです。
ヤマハにはC4というのはありませんが、そこだけプレミアムシリーズでS4というのがあり、逆にシトロエンにC7はないけれども、DS7というのがあるのも好対照です。

これだけでは終わりません。ヤマハの現行モデルでは数字のうしろにXがついてC3X、C5Xとなり、これを総称して「CXシリーズ」と呼ばれるのもエッ?という感じでしたが、それでいうとカワイのグランドピアノには1980年代に「GSシリーズ」というのがありました。
さらに驚いたのは、つい最近発表されたシトロエンの最新モデル名は、なんとC5Xだそうで、またもヤマハピアノと同じモデル名になったとは、こんな偶然ってあるの?という感じです。

上の写真は、ピアノの内部には「フレーム」という弦を張るための鉄骨があり、そこに印されたヤマハグランドピアノのモデル名。

ついでにいうと、カワイのグランドの標準モデルは数年前までRXシリーズといい、サイズによってRX-3RX-7というのがあったし、1980年前後にはヤマハのアップライトピアノの高級機にW201という、メルセデスの190シリーズのような名のピアノがあって、これは現在ではあり得ないような手の込んだ杢目の堂々たるボディが特徴で、40年たった今でも値崩れしない人気モデルだったりします。

さらに海外に目を向けると、イタリアにはFAZIOLI(ファツィオリ)という高級ピアノのメーカーがありますが、そのモデル名はF228、F278、F308といった具合に、まるでフェラーリを思わせるようで、275GTBとか308シリーズ、F355などを想起させられます。FではじまりIで終わる7文字の会社名、カタカナで書いてもフではじまりリで終わるというのも共通しています。

〜だから何?という話ですが、ちょっとご紹介してみました。

復活に向けて

4月のお茶会の席でのこと。
長らくガレージに置かれていたkunnyさんのCXが、熊本のHさんの手に渡ることで話がまとまり、今月に入って移動作業も進んで無事に完了したようです。

何年も動いておらず、バッテリーも空っぽ、タイヤの空気も抜けていたそうですが、Hさんは車屋さんを伴って車載車で引き取りに来られ、ついに長年住み暮らした福岡を離れて行ったそうです。

内外のどれひとつをとっても、旧来のシトロエンの味わいとスタイルが貫かれています。
エレガントなシートひとつでも、車全体の性格を表している気がします。

CXは生産終了からすでに30年余が経過していますが、最近のクラブ内でも売買の動きがあり、往年のシトロエンの一時代を担った代表的なモデルとして、再評価される気運が高まってきているのかもしれません。
この車が再び私たちの前に姿を現すのはいつごろなのか、楽しみがひとつ増えました。

丸々1日かかっての作業だったそうです。やっぱりカッコいいですね!
遥けき眺望の新天地に降り立った宇宙船。右の車載車がここまで運んできたのでしょうか?
とりあえずエンジンはかかって、メカニックが驚くほど静からしいです。

捨ててしまった!

連休の中ごろ、突然AさんからLINEで雑誌の写真が送られてきました。
添えられたコメントによると、連休中、断捨離されているときにCar Magazineが出てきて、なんで取ってあるのか中を見ると、私の試乗記が掲載されていたとのこと。
は?…なんですか、それ?

狐につままれたような気になってから数日後、Sさんが思い出してくれたところでは、20年ほど前、東京の車屋さんがCar Magazineの取材で編集部の方を連れてCCQのミーティングに来られたことがあったと言われ、あれこれ話を聞いているうちに「あ~~~!そういえばそういうことが…」という具合に思い出しました。
むかしXantiaのディーゼル(M/T)で高速をかなりの距離乗ったことは覚えていましたが、その前後のことは見事に忘却のかなたでした。

たぶん自分でも持っていたのに、すでにCar Magazineはごっそり処分してしまって、もう手許にはありません(275号/2001年5月)。
ネットで購入してみようかと思いましたが、送料を含めると、中古の雑誌を定価より高く買うことになり、そうまでして…と思いやめました。

送っていただいた写真。Car Magazineの長期テスト車?だった並行輸入のXantia 2.0HDi Breakを熊本からの帰りに運転させていただき、その印象を長々と臆面もなく書いたようです。2ページの大半が私の駄文で占められているみたいで、担当者はそのまま使ってしまえば仕事しないで済む!と思ったんでしょうね。
私のとなりにSさんが立っておられ、創設30年が近づいてるいま、初期メンバーとはずいぶん長い付き合いになったものです。

Exhibition

CCQメンバーで、車をモティーフにした作品を描かれている大弓 鎮さんの個展が開催中なので見てきました。

クルマ好きでないと描けないツボが押さえられており、程よいデフォルメとセンス溢れる色彩など、心を捉える作品が多く、シトロエンもいくつかありましたので、その中からこの一点をわけていただきました。

どこに架けようかな?

会場は、R’s cafe(筑紫野市原田6-5-5)で、5月9日まで開催とのことです。

※作品の掲載および本名の公開はご当人の許可を得ています。

これぞ趣味の世界

ducaさんから教えていただいたBS11の番組、楽しく視聴しました。

英国のクルマ番組で、£5000の予算で車体購入から修理までして、それを仕上げて売却するという趣向。その仕入れ段階から修理の過程、仕上がって売却してどれだけの儲けが出たかをおもしろおかしく紹介する番組でした。

フランスで何台かのDSを物色した後、非常に綺麗なブルーの車体が見つかり、値引き交渉も成功して意気揚々とイギリスに持ち帰り、ガレージで待ち受けるメカニックに見せますが、さっそくオイル漏れなどいくつかの問題点が発覚。

「これは困った!」などといいつつも、いずれもスイスイと問題解決し、とくに破れたシートには新品の表皮があって、新品のように生まれ変わったりと、やはり彼我の根本的な環境の違いには目を見張りました。

車体はDSとされていますが、正確にはむかしDSに対して廉価版のIDがあったように、最終世代ではDSの廉価版にはDシュペール(D Super)というのがあって、そちらでしたので例の特徴的な変速機はない個体でしたが、内外いずれもまぎれもなくDSです。

最後の「5」とは何の意味? 5速のミッションということでしょうか?

実は、はじめの走行シーンからちょっとした違和感があったのですが、それは車体の揺れがどうみてもDS特有のフワ〜〜〜ンではなく、せいぜいCXぐらいのきわめて常識的な動きで、もしかしてスフェアが要交換なのか?と思いました。
すると、上記のオイル漏れを修理する際にわかりましたが、スフェアはDS用のあのドンブリみたいに大きなものではなく、LHM時代に見慣れた普通の緑のスフェアでした。

DS用とは思えぬ、いたって普通な感じのスフェア。オイル漏れ修理の様子。

Dシュペールではこの緑のスフェアが標準なのか、ドンブリ型のものが不足しているのでこれで間に合わせているのか、そのへんはわかりませんが、映画などで目にする、DSのあのウソみたいに深くゆったりした上下動は、例の巨大スフェアあってのものだろうと思います。

フランスからイギリスへ旅の途中。うしろにXsaraが見えますね。


ちなみに、このDSにかかった費用は車体£3800、その他修理に要するパーツ代や燈火類のイギリス仕様への変更など含めて合計£5185。
1£=150円としても、わずか78万円ほど。
ほれぼれするような一台として仕上がり、番組最後には新オーナーもすんなり決まったようです。買った人は£7000(約105万円)でゲットしたので、番組としては27万円ほどの利益が出たと大喜びでしたが、そこに工賃は入っていないし、実際には他にも手を入れなきゃいけない部分もあるとは思いますが、いずれにしろ大バーゲンですよね。

趣味というのは、本来、金銭的にもこれぐらいのものだと、さぞかし楽しいだろうなぁと思います。

DSの次は、ベントレーのミュルザンヌターボでしたが、これもやはり予算は£5000で最終的には見事な仕上がりとなり、クルマ趣味とそれをとりまく文化の違いにため息が出るばかり。
あんな恵まれた環境に生まれていれば、私だって、もしかしたらDSにも一度くらい乗っていたかもしれないなぁ…なんて思いました。

デザインの個性

クルマのデザインのオリジナル性という点では、初期モデルが最も色濃く現れていると言われますが、とりわけシトロエンの場合はその流れを見ていくのは面白いと思います。

DSでも初期の丸目を好む一派があるそうですが、私はお馴染みのMC後の一体式ヘッドライトほうが断然好きです。逆にダッシュボードに関しては圧倒的に初期型がかわいらしくて良かったりと、好みはまさに人それぞれ。
CXも最初期のゆでたまごみたいなプレーンなモデルと、最後のモダンかつ高級感を打ち出したシリーズ2では、ずいぶん印象が違います。

シトロエンらしく、かつ意志的な表情も兼ね備えたフロントマスク。

決してどれが最良と言っているのではなく、それぞれの変遷を辿るのが興味深いのですが、好みはあるとしても、あまり頑固に偏った見方をするのは却って視野を狭めるのではないかと個人的には思います。
いまだにXmにもXM時代のダブルシェブロンを横にずらしたものがいいと信じ切ってグリルをわざわざ付け替えたり、すごい人になるとC6のリアフェンダーを板金してタイヤが半分隠れるよう、覆いを作ってしまうような頑なな方もおられるようですが、私はああいうことは賛成しかねます。

このスッキリした端正なフォルムは初期型ならではの魅力では?

C5においても、それぞれの個性があると思いますが、初期型には初期型だけがもつ佇まいと、完成された造形の印象を覚えるところがあり、3月の公園ミーティングの折にSさんのC5を撮らせていただきました。
2型も次の時代を予感させて素敵ですが、1型には全体を通じて首尾一貫した完成度があると思うのです。

黄色いヘッドライトとあいまって、シトロエン臭ムンムンで、どことなくCXに通じるものを想わせます。

ちなみに、Sさんの次なるC5の新しいタイヤはアメリカのアームストロエング。
SさんはCCQ内でも、シトロエン=ミシュランという不文律をいち早く打ち破って、MOMOタイヤを最初に装着されたこの分野のいわば開拓者です。
おかげで私を含め、多くの人がこの流れに続くことになったわけですが、だれもやっていないときに、最初の扉を開いた人の勇気は尊敬に値します。
そして今また、シトロエンにアメリカのタイヤを組み合わせるという思い切った組み合わせに再び挑戦されたようです。

4ヶ月

C5エアクロスに乗り始めて約4ヶ月、オドメーターは1700kmを超えたところで、とりあえずの感想など。

一番の注目点はPHCだと思いますが、ただ足がやわらかいというだけでなく、近ごろではマークだけを付け替えたような車も多い中で、乗った感じのシトロエンらしさも充分に保たれており、贔屓目かもしれませんがまずは合格点じゃないかというのが率直なところです。

今どき、大半の車がサスは固く引き締められるのが当然という時代にあって、C5acの価格帯でここまでソフトに徹したサスペンションを持つ車はそうはないのでは?
それでいて山坂のカーブでも高速でも、腰砕けになることがないのもシトロエンの伝統はしっかりと受け継がれています。
ハイドロの、走りながらグーッとお尻が上がってくるような特異な動きはないけれど、夜間など、わずかなアクセルワークのたびに光軸が上下に動いたり、駐車場からの発進時、うっかりPブレーキを解除し忘れて慌ててOFFにすると、たまっていた駆動力でパフーンとお尻を上げながら動き出すなど、昔のハイドロニューマティックの頃や2CVにも通じるものを感じます。

むろんハイドロのあの深い世界には及びませんが、オイル(LHM/LDS)もスフェアも無しで、ここまでシトロエンらしさを再現してみせたことは画期的なことじゃないかと思います。
加えてハイドロでは不可避の、角の立ったハーシュネスがほとんどなく、段差や継ぎ目をまろやかにいなすことも乗り心地への貢献度は小さくないものを感じます。

もうひとつシトロエンらしいと思うのは、高速でまったく力まない、愉快で淡々とした走りでしょう。
そのストレスフリーな走りはC6にも通じるものがあるし、ドイツ車のような機械の精度や理論の結集によって達成される安定ではなく、鳥が空をとぶように自然体で「これが一番ラクだよね」といっているようで、これぞフランス車の真骨頂。
高速巡航が得意というのは、乗り心地と並ぶシトロエンの必須要件だと思いますが余裕でクリアしているようです。
普通の試乗で高速まではなかなか確認できませんが、シトロエンって高速巡航するとき、クルマのキャラクターがより明るく親密になるような気がしませんか?

最近オープンした「キテラタウン福岡長浜」の屋上駐車場にて。1Fに24時間営業の地元スーパーがありますが、夜はガラガラで、車の写真を撮るには手軽でいいですよ。

我が家のガレージからハイドロ車がいなくなったのは、ここ30年余で二度目のことですが、長くなったので、そのあたりのことはまたいずれ書いてみることにします。