C5エアクロス試乗しました

kunnyさんからお誘いいただき、登場したばかりのC5エアクロスの試乗に行きました。
最大の興味はいうまでもなくPHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)という、大いに期待されていたダンパーインダンパーのシステム。

動き出して数メートル動いただけで、ここ最近のシトロエンにはなかったフワンとした感触が復活しており「おっ!」という感じがありました。
段差や路面の状況に応じて鼻先が上下にゆれる感触は、ハイドロを失って以降のシトロエンでははじめてのことかもしれません。

C5エアクロスは、より上級のDS7より明らかにソフトだそうで、最近の硬い足一辺倒の流れとは一線を画すものだということはたしかなようです。

ではこれが、ハイドロの代替システム足りえるのかというと、そこは人によって感じ方も違うと思いますが、あくまで私見でいうなら、ハイドロとは別物、でもソフトなことは硬いよりは気持ちよく、いちおう歓迎というところではないかと思います。
ただ、コイルバネが基本というフィールはついてまわり、それをPHCという凝ったダンパーのおかげでふわんとさせているだけで、ハイドロのあの深い世界は…残念ながら感じませんでした。

今にして思うと、ハイドロには呼吸感があり、その挙動も横の曲線としてゆらぎや余韻があり、バンプした車輪があとから油圧で戻ってくるタイムラグなどに、えもいわれぬエロさがあると思いますが、PHCはあくまでダンパー処理によるものだから、「線」ではなく「点」で、一瞬一瞬の動作にすぎません。

「もう、あんなことはしたくないから、これぐらいで我慢してね」といわれている感じでした。
もちろんないよりあったほうがいいとは思いますけど。

カーグラによると、このPHCってKYBが関わって開発され、すでにルノーなどがラリーで使っているもので、それをシトロエンがソフトに設定して使っているのだとか。

エクステリアデザインはここ最近のシトロエンの中では好感を持っていたつもりでしたが、明らかに写真のほうがよく、実車は想像以上に大味でちょっと引きました。
DS7のほうがまだ細身に見えるぐらいぼってりしていて、とりわけBピラーから後ろはかなりの肥満体型。
しかもフロントやサイドに意味不明な赤い煙突の穴みたいなのがあり、C3ならかわいいですが、このサイズであれをやられると、いい大人が子供の格好をしているみたいで、大型車はもう少しオシャレな大人の身なりをしてほしいものです。

内装もドアの内張りなどは、かなり安めの素材がむき出しかと思うと、ダッシュボードやハンドル周りは一見高級風な作りだったりで、今の車らしく極力安く作って、しかも立派にも見せたいというトリックがバレバレで、そのチグハグな感じは逆にツッコみたくなります。
シートの座り心地はしっとりしていて良かったですが、たしかこのシートもなにか技が入っていたような…調べるのが面倒なのでここまでで。

※写真はネットからお借りしました。
たったこれだけのものを4本つけたからといって、ハイドロと同レベルというのはやっぱり無理でしょう。

C5が復活 !?

『世界の自動車 オールアルバム』という本があり、世界中の現地生産モデルなどが網羅されていて、けっこう面白いです。
その2019年版を書店でパラパラやっていると(当然最初にシトロエンのところを見るわけですが)一度消えたはずのC5が再登場していました。

写真はネットからお借りしました

しかもよく見ると、前後はフェイスリフトされた中国仕様のようです。
ちなみに2018年版は手元にもっていますが、C5は掲載されておらず、やはり一旦消えたモデルが中国専用モデルとして復活したということなのでしょう。
このボディのC5は発売当初からヨーロッパではハイドロとコイルバネ、両方の仕様があったし、どう考えてもハイドロじゃないだろうと思います。

ネット情報によれば、中国でのシトロエンはC5エアクロスが牽引するかたちで、従来より40%以上も売上を伸ばして過去最高を記録しているとあり、ハイドロをやめて意気消沈する旧世代のファンのことなんぞ知ったことではなく、中華市場に活路を見出してウハウハのご様子のようです。

ダッシュボード周りのデザインはダサくてやや雑な感じ。
※写真はネットからお借りしました

フロントのダブルシェブロンから伸びた二本の線を、強引にヘッドライトに繋いで、エアクロスとの血縁をアピールしているような…。
※写真はネットからお借りしました

活発でスムーズ

いつもシトロエンネタではなく申し訳ないのですが、他に書かれる方もおられないのであえて。

ダウンサイジングによる、小排気量のターボエンジンにはカーボンの堆積による異常燃焼が不可避とのことで、これはご自身も1.6ターボエンジン搭載のC5にお乗りのduca900c5さんが常々力説されているところです。
我がゴルフがパートスロットル時、わずかにカリカリ音がすることから、1.2ターボもそのカーボンの堆積の可能性があるということで「エンジン清浄剤」なるものを使ってみては?というアドバイスをいただきました。

さっそく試すべく、夜開いている店ということでハンズマンに行ったら数種あり、とりあえず値段も安めのSTPのガストリートメント(680円)というのを買い、空港近くのエネオスに行き、これを一本流し込んでガソリンを満タンに。

給油が終わり、レシートを取って、エンジンをかけて、3号線に出て最初の加速をしたところ、あきらかにパワーアップしている気配がありましたが、あまりにもすぐだったので「うそぉ!?」と思いましたが、その後も決して錯覚でないことが判明。
エンジンのツキがよく、しかもスムーズで、車全体がなめらかに走っていくようでした。

これだけ効果があると、ついクセになりそうで、実はもうつぎを買ってしまいました。
当然C6にも入れてみるつもりですよ。

オイル食います

ターボ車のエンジンオイルについて。

普段用のゴルフは、いわゆるダウンサイジングの1.2Lターボエンジンですが、こんな小さなエンジンのくせして、ササッと高いギアにアップし、1300〜1500rpmの間を常用することが最も多く、かえってエンジンに負担がかかるんじゃないかと思います。
最近パートスロットルの時に、かすかにカラカラという音がしているのに気が付きました。

気になってエンジンオイルの量を見てみると、えっ!?…レベルゲージにほとんどオイルが付きません。
交換から半年、交換後の距離は約3600キロなのに!!!

運良く補充用の予備オイルを持っていたので、それを足すも、なかなか上がって来なくて、500mlも入れたかと思う頃にようやく下の方にちょこんとオイルがつきだし、最終的に700ml前後かそれ以上入れたところで、ようやく上下許容範囲の真ん中ぐらいに達しました。

気になったので同じオイルを使われていて、やはりダウンサイジングのターボエンジン搭載のC5をお使いのduca900C5さんに聞いてみると、つい最近オイル交換された由、やはり想像以上に「減っていた」とのこと。

さっそくduca900C5さんがネットで調べられたところ、同様の書き込みがいくつも見つかり、
「ディーラーで交換から半年で0.7L足した」「オイルの消費はある」「1.6ターボで1.6tの車重を低回転からずっとタービン回していると考えると、昔のいかにもなターボ車より負担が多い気もする 」などの意見が見つかったようでした。

そもそも、総量で4Lぐらいなのに、「半年で0.7L足す」というのもすごいし、その減ったぶんの少ないオイルで、ターボの灼熱地獄にさらされるわけですから、これはかなり厳しいことでしょう。
XmでもC6でも、エンジンオイルはほとんど減らなかったこともあって、最近はオイルの点検もおろそかになっていましたが、新世代のターボエンジンではそうもいかないことがわかりました。

幸い持っていた補充用オイルで、7〜8割方入っていたものの結局カラに。

というわけで、この手のターボ搭載車は「オイル消費が激しい」という事実を(遅すぎますが)しっかり認識!

こうなると、補充用オイルを常備することが必要で、これはもう、ハイドロ車がLHMやLDSを用心に1本もっておくどころではない、もっと切実で差し迫ったものがあると言わざるを得ません。
ハイドロのオイルは漏れなどのトラブルがない限り減ることはありませんが、エンジンオイルが通常使用でこれほど消費するとなると、乗れば乗るだけ、少しずつ確実に減っているというわけですから。

しかるに、オイル交換の推奨インターバルは昔よりはるかに伸びて、いまやどのメーカーでもオイル交換は1万キロ(中には2万キロ)まで必要ないなどと大口をたたいているわけで、意図的に壊れるように仕向けてるの?って思います。
それとも、注ぎ足しが多いから、そのぶん交換は延ばしていいってこと?

VWに関して言えば、1.2Lターボはあまりに切り詰めすぎで、高速を含めて実用で困ることはまったくないけれど、次またぜひ買いたいとまでは思いません。
もっとも、ガソリンエンジンそのものがいつまで生きながらえるのかわかりませんけどね。

WAXの魅力

車好きにとって、昔は洗車=ワックスでしたね。
シュアラスターの何々がどうの、あれだこれだと試したワックスも数知れません。

東京の塗装の老舗、わたびき自動車の技術者の方から「自分達が長年使うワックスはウイルソンの赤缶です」という最もベーシックなワックスときいて、それを箱買いし、人に配りまくったこともありました。

時は移ろい、世はコーティングブームになり、カルナバロウのような油分を車体に塗りまくって喜んでいるのがダサいことのようになり、私も自然にコーティング派に移行。
作業性もよく、なによりポイントだったのは、ワックスのような妙技を必要とせず、ムラなくそつなく仕上がる点でした。
さらに人間とは勝手なもので、今やっていることを最良と考えたがるふしがあり、ワックスのギラギラした艶より、コーティング(といってもいろいろありますが)のほどよい艶のほうがナチュラルで好ましいなどと本気で考えるなど、ゴールポストまで動かし始める始末。

さらに時は流れて、時代は簡単便利を最上の謳い文句とするようになり、拭き取り要らず、シート1枚、中には水洗い不要などという恐ろしいものまで出始めましたが、そんな中で使い始めたのがシュアラスターのゼロウォーター。

水洗いした後、ろくに水滴を拭きあげもせずにゼロウォーターをシュッシュッとやって付属のタオルで塗り拡げればハイ終わりという、超手抜きケミカル。回を重ねるごとに艶が増していくなどという触れ込みにもすっかりのせられて、ここ数年はこればかり使うようになりました。
仕上がりはそこそこ、とくだん美しいとは思わなかったけれど、何しろその簡単さは抗し難く、早い話が、自分自身が手抜き作業に堕落してしまったというわけです。

こうして、私にとって洗車は楽しいはずのものであったのに、いつの間にかその初心も喜びも忘れ去り、簡単に済ませる道に完全にハマり込んでしまいます。


先月のこと、たまたま行ったホームセンターのカインズでカー用品を見ていたら、棚の下の方にさりげなく置かれた「簡単艶ワックス」なるものが目にとまりました。
使い慣れたスプレー式で、「簡単施工でしっかりワックス効果。深みのある艶」というような文字に突然吸い寄せられ、私の中に眠っていた何かに触れたのか…。

この「簡単艶ワックス」はこのカインズのオリジナル商品で、価格も500円以下(正確には忘れました)なので、ためしに買ってみることに。

次の洗車でさっそく使ってみると、悪くはないけれど、まあまあぐらいの感じでした。
で、家のピアノにちょっとやってみると、ほんのわずかに薄い膜みたいなものが残ることに気づき、それをそっと拭き上げてみたら下から一気に美しい艶があらわれました。
車でも同じことをしたのは言うまでもありません。
やはり、軽く拭き上げを加えることで、ながらく目にしなかったワックスの輝きが目の前に広がりました。

写真で艶の感じを伝えるのは難しいですね。

もちろん廉価品であること、スプレー式でチャポチャポの簡易的なものであることもあって、その効果は限定的なものだと思いますが、それでも深みがありしかもエッジのきいた仕上がりは、やはりワックスならではの効果だと確信しました。
おまけにウエスが滑っていくようなあのサラサラ感は、長らく忘れていた感触です。

何度かやってみましたが、どうしようもなく気に入ってしまって、まだたっぷりあるのに、悪いクセでもう次を買ってしまいました。
この感じだと、たぶんまた買いますね。
やっぱりワックスはいいですよ、みなさんもいかがですか?

早くも2つになりました。


この2日

毎度の事ながら、今月もお茶会はつつがなく終了しました。
シトロエンネタはもとより、政治から医療、飲食などノンセクションの翼で駆け巡りました。

あまりに長尻で、ファミレスからも覚えられていると思いますが、面白いのは23時を過ぎるとほとんど客足が途絶えてガラガラになり、さらに0時を過ぎると再びぽつりぽつりとお客さんがやってくるのが不思議で、いずれにしろ今や数少ない24時間営業のありがたさというところ。

途中でお一人が帰られ、帰りは5人5台で福岡市内方向へひた走ります。
1台でも変態呼ばわりされる由のシトロエン、真夜中の幹線国道をC5☓3台、C6☓2台で走っているだけでも、かなりヤバイことをしているような気になりつつ、夢か現か、浮遊を楽しみながら無事に帰り着きました。


翌日は、北九州市立美術館に会期の迫ったルオー展を見に行きました。

ジョルジュ・ルオーは19世紀後半から20世紀中頃にかけて活躍したフランスの画家。
晩年の作は、油彩画というよりレリーフといったほうがいいような、すさまじい厚塗りに驚嘆。
版画集「ミセレーレ」を一気に見られたのは足を運んだ甲斐がありました。

美術館をバックに車の写真を撮ろうと思ってカメラを持っては行ったものの、はて駐車場ではまるで絵にならず、大いに不満のまま退散。
写真が撮れなかった気持ちがくすぶり続け、帰路に休憩で立ち寄ったコンビニでシャッター押しました。自虐的意味も込めて「バーカ!」というべきショット。


謹賀新年

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

昨年末は私のもうひとつ趣味であるピアノの関係もあって岡山までC6で往復し、途中も広島などに立ち寄ったりで2泊3日、ちょうど1000kmの旅でした。

シトロエンの得意科目のひとつは昔から長距離走行ですが、C6のそれは歴代のモデルの中でも軍を抜いており、高速道路を遠くに向かって淡々と突き進むような場面は、呆気にとられるほどストレスフリーで、これ以上快適な乗り物はない!と(たとえ錯覚でも)思わせるものがあります。

さすがに狭い裏路地をちょこちょこ動きまわるようなことは得意ではありませんが、舞台が長距離となればこっちのもの。この車が生まれ持つ良い面ばかりが出て、本当に上質/快適で頼もしく、しかも飽きさせることなく、終始乗り手の心を喜びと楽しさで満たしてくれるのはいつものことです。

また過去にも書いたことですが、私の経験した歴代シトロエンの中では突出してタフで、いつもケロっと健康な風情、それでいてシトロエンの味はこってり濃厚。
デザインもただ美しいとかカッコいいというだけではなく、いわば芸術的な陰翳と存在感があり、どこに行っても、どこに止めても絵になります。

シトロエンに乗る楽しみは、その独特の乗り味だけでなく、シトロエンを走らせること自体がポピュリズムに対する反逆であり、アートな問いかけであり、それを大声を出すことなく訴えている(ような気がする)ところにあるのかもしれません。

燃費は高速多用しつつも、市街地では渋滞などもあり、通算で11km/Lにやや届かずで、まあまあでしょうか。

上:行きの高速S.A.にて。
中:岡山城と後楽園。
下:ホテル駐車場で。

ひとのえんくらぶ

このところ、どういうわけか、昔のシトロエン関連の方々と電話などでお話する機会が次から次へと続きました。

[北九州Uさん]新しいステッカーをお送りしていたところ、ご自身で出版された美しい絵本を送ってくださいました。
昔はよくミーティングにご参加いただきましたが、2CVは今も健在で乗られているようで「ワタシ、あれしか乗れませんから」とケロリと言われます。
古稀を越えられるも、今でもヨーロッパへお出かけだそうで、すこぶるお元気な様子でした。

[佐賀の巨匠]Uさんとの会話で出てきた、我らがシトロエンの巨匠。
久しぶりにお電話してみると、すぐに出られて、たちまち話に花が咲きました。傘寿を過ぎられるも頭脳明晰。
遡ること25年、CCQ創設時のことを私以上に鮮明に覚えておられ、懐かしいことこの上ない方。
現在はDS21、GSクラブ、2CV、CX、さらに今年から最新のC3が加わったそうで、所有車がシトロエンの歴史そのものの様相を呈していました。

[福岡Kさん]以前の福岡のシトロエンディーラーの社長さんで、現在も輸入車にかかわるお仕事をされているご様子。
かつて納められたC6が、次のオーナーを探しているとのことで、誰か欲しい人はいませんか?というご連絡をいただき、昔なつかしい話があれこれ飛び出しました。

[佐賀Kさん]CCQ初回のミーティングから参加していただいた方で、BXや2CVに乗られ、2CVでは整備などでよくお世話になりました。
かなりおかしな人だけれど、お仕事は制服着用のお堅くハードな国家公務員(たぶん)。
現在はシトロエンから遠ざかっておられるものの車は大好きで、工場に座り込んでいるらしい巨匠のDS21の復活に向けて奔走中の由。

[福岡Tさん]夜街を走っていると、前方に見慣れぬへんてこりんな車を発見。
C4カクタスであることはすぐわかり、あわてて近づき、ついに交差点で横に並ぶことに成功。
理系の大学の先生とは思えぬおちゃめな人で、元CCQ会員、窓ごしに言葉をかわしました。

[神奈川Nさん]せごどんではないけれど、実家は鹿児島の薩摩隼人。
お父上と揃ってBXに乗られていたが、今年ご他界された由、ジュニアは神奈川県でCX一筋のシトロエン道を謳歌しておられるご様子。鹿児島に戻られる気配はないよう。

[神奈川Hさん]CCJ=日本シトロエンクラブの元幹部で最も中心におられたひとりで、私も会報編集を数年間担当していたこともあり、九州以外では最も馴染み深いシトロエン乗りの方。
現在はCCJを離れ、気の合う昔の仲間とだけの自由なシトロエンライフをお楽しみの様子。C6とC4ピカソに乗られているが、やはりC6は格別なモデルとのこと。工場もラインもまったく別で、手作業部分がかなり多かったとのこと。

〜以上、わずかひと月足らずの間に、シトロエンが繋いでくれた昔の「ご縁」がひさびさに目の前に引き出されたようでした。

タイトルは、このHさんから聞いたもので、大阪の方が言われたらしく、「シトロエンクラブ」は「ヒトノエンクラブ」なのだそうで、シトロエンを通じての「人の縁」であるという意味。
韻を踏んだ面白さの中に、深い意味が込められているあたり、さすがは大阪人!実に上手いことを言われるもんだと感心しました。
言われてみると本当にそうだなぁと思うばかり!

※急遽、シャレでステッカーを作ってみました。

SMの4ドアセダン

高級スポーツカーメーカーとして知られるマセラティ社は、1960年代から1970年中頃にかけてシトロエンの傘下にあり、それはシトロエンがプジョーに買収されるまで続きました。

この時代のシトロエンとして最も代表的なモデルがSMとCXで、先行するSMのフロントに積まれたエンジンはマセラティの新設計による2.7L-V6、排ガス規制の厳しかったアメリカ向けに3.0L版も作られました。
それをマセラティ側に載せたモデルがミッドシップのメラク、一方、当時のフラッグシップであったカムシン(5L-V8)にはシトロエンのハイドロニューマティック・サスペンションとセルフセンタリングが装着され、私は幸運なことに実際に運転した経験があります。
当時は個人的に、ライバルのフェラーリ・デイトナよりカムシンのほうがはるかにシャープでカッコいいと思っていましたが、実物はというと、獰猛な5Lエンジンはドロドロと唸り声をあげ車体は小刻みに振動しているのに、乗り心地はハイドロそのものでぷかんと水に浮いているようだし、ハンドリングときたら危険なほどクイックな上にセルフセンタリング付きで、交差点ひとつ曲がるにもドキドキでした。
バランスもへったくれもない、今ではおよそ考えられない破天荒というか、冗談みたいな車でした。

注)マセラティ・カムシン 写真はネットより拝借しました。

それ以外にもうひとつ忘れられた貴重モデルとして、マセラティの4ドア高級セダンであるクアトロポルテの二代目がこの時期に開発され、これもハイドロを持つ車だったようですが、折悪しくオイルショックで販売は頓挫、デリバリーされた台数は1974年から4年間でわずか13台!という、激レア車というよりは幻と言っていいようなモデル。
現存して走行可能な個体は4台だったところ、2017年、スペインの倉庫からもう1台が発見され、それが雑誌《Octane オクタン》に記事として掲載されていたので即購入。記事によればクアトロポルテIIはガンディーニのボディを纏っているものの、中身はリアのトレッドを広げただけのシトロエンSMそのもので、マセラティ初のFF車だったとか。フロントもSMと同じく6灯式ヘッドライトで、ホイールキャップはDSのものではないかと思われます。

プレーンな4ドアボディは、全体のフォルム、窓枠の処理や造形などデザインテイストが当時カー・オブ・ザ・イヤーを獲得して注目の高かったアウディ初代80に通じる、1970年代の美意識を随所に感じるもの。
おおらかで夢のあった時代の遺品とでもいうべき車ですね。

車高が落ちてペタンコになった様子は、走ることを拒否するハイドロ車の姿で、我々には見慣れた光景。

新ステッカー

ずいぶん久しぶりに新しいクラブステッカーを作りました。

サイズ:120mm☓24mm とやや小ぶりにしました。

お茶会のときにお持ちしますが、お茶会参加予定の立たない方や、トリコロールデイなどでもっとはやく欲しいという方は、
▲お名前 ▲ご住所 ▲電話番号 ▲必要枚数(できれば5枚以内)を
milou526@yahoo.co.jp までお知らせくだされば郵送致します。

※クラブの会計の許可を得て制作しましたので、無料でお渡しお送りします。


実物をリアウインドウに貼ってみたところ。


原案